体験談(約 96 分で読了)
【評価が高め】世間でいうクリスマスイブに綺麗な娘を買った(5/13ページ目)
投稿:2011-12-01 21:00:00
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本文(5/13ページ目)
居間へ彼女を通してからが見ものだった。
馬鹿な弟も、普段は陽気な親父も、正座したきり、それこそ借りてきた猫みたいに大人しくなってた。
言葉がありえないほど丁寧になり、何度も自分の後ろ頭を叩きながら喋る弟は、全く馬鹿そのものだった。
中学の時の同級生で、ばったり駅で何年かぶりに会った、と紹介しておいた。
彼女と軽く打ち合わせてたので、スムーズだった。
とはいえ、今までまったく女気のないモテナイ息子がいきなりこんな美人を連れ帰る説明としてはやや足りてなかったのかもしれない。
ただ、彼女にはアドリブのセンスもあって、高◯生になってから少しだけ付き合いがあった事。
僕の母が育てていたセントポーリアの鉢植えを、実はこっそり一株分けてもらってた事。
そんなわけで、お母様にはお伺いして一言お礼を言っておきたかった事。
そんな話をさも事実のように、柔らかな笑みで語ってくれたので家族の注意はそこに注がれた。
これには僕も驚いた。
居間に通されるまでのわずかな時間に彼女は何をみたんだろう。
そしてそこに反応したのは僕だけじゃなかった。
母が、僕が高◯生の頃に、鉢植えがいくつも盗まれたけど、あれはおまえの仕業だったのかと言い出した。
実のところ母はかなり喜んでいた。
自慢も多分に入ってる。
盗まれるほどの自分の技量に対してと、姫様が草花に興味があった事。
もっと驚いたのは、それきり母と姫様は意気投合してしまったという事。
世の中何が起こるかさっぱりわからん。
母が、もう充分だと言う姫様に、食べろ食べろと御節の残りを勧め、親父は姫様にお酌してもらって、悔い無しといった感じだった。
馬鹿弟は馬鹿よろしく、デジカメを持ち出し彼女を撮影すると言い張り、彼女にやんわり否定されて、心底落ち込んでた。
夕方になって僕の部屋を見た彼女が、窓辺でやけに悲しそうに外の風景を眺めてるのを見て、僕はそろそろ行こうか、と切り出した。
彼女が帰ると聞いて、すっかりしょげてしまった親父。
駅へ向かう道の途中、泣き出してしまった姫様。
昨夜のように激しくではなかったけど、静かな鼻をすする音が夜道ではやけに響いた。
何でわたしの両親は死んでしまったんだろう。
何で私の弟は、まだ幼かった私を最後に1人残して死んでしまったんだろう。
その理由が知りたい。
この世で起こるありとあらゆる事には何かしら理由があるんだと思う。
彼女はたどたどしい口調で、見つからない言葉にイライラしながらそんな事を言った。
「ヒロはいいね。優しい両親と弟がいて」
彼女はそう言ったきり黙りこんでしまった。
セントポーリアの鉢植えの嘘とトリックを、ぜひ聞いてみたかったけど、とてもそんな雰囲気じゃなかった。
渋谷駅に向かう山手線は酷い混みようで、姫様は僕にもたれてご就寝。
まんざら悪い気はしなかった。
僕のシャツが姫様のヨダレで汚れようとも、ファウンデーションが付着して色が変わろうとも、僕は姫様が起きないように、電車の揺れに合わせて体を捻る。
電車が代々木駅のホームに滑りこむのと同時にケータイが震えた。
オタからだった。
珍しく長い文章で、2度に分けられて送信されてきた。
「お待たせ。苦労したよ。この真っ黒な画像が本当に真っ黒、例えば#000000なんていう単色で塗られているなら10kなんていう重さにはならない。実際にはもっと軽い。じゃあなんでこの重さになっているかというと、それは間違いなくこれが画像データだから、ピクセルの配色にはバラつきがあるって証拠だ」
オタのメールに目を通した瞬間、それがオタにとっては造作もない事、簡単に見破れるトリックだって事がすぐに分かった。
おそらく交換条件のスニーカと等価値になるよう、自分のやってる事に威厳を与えるべくもったいぶってるんだろう。
講釈をすっとばして、肝心の部分を探す。
「ピクセルが数色あるとして、その配置に意味があるとするとこれは何かコードを表してるのかもしれない。統計解析してみればすぐに分かるんだけど、生憎そんな高価なアプリは研究室に…」
ウザいな。
「ふと思ったんだけど、これって画像をモノクロ変換してコントラスト調整すればいいんじゃないかなと思ってさ。ビンゴ!これだ。思ってたとおりだ。インド、デリーのペダルタクシィの画像が一枚。マドラス、チェンナイのペダルタクシィの画像が1枚。ボンベイ、ムンバイのペダルタクシィの画像が1枚。デリーはあるいは違う場所かもしれない。院に通ってるインド人に確認してもらった。まあ、場所がどこにせよ全部輪タクの画像ってのもなんだかな、と思ってさ。で、ここからが重要。タクシーのナンバープレート。全部あとで手が加えられてる。数字ね。デジタルで。酷い加工ですぐにわかるよ。とにかく送り返しとく。それにしてもさ。何でこの製作者はこんな手のこんだ事をするんだろうな。多分どこかにスタンドアロンで稼動してるPCがあって人が手でデータを運んでるわけだろ。嬢様がさ。秘密は守られてるだろうに。とはいえ、こうやっておれ達が覗き見してるわけなんだけどさ」
ありがとうオタ。
やっぱりお前は最高だ。
渋谷駅に到着しても、姫様はムズがって降りようとしなかった。
眠いのだ。
仕方ないので、持ち上げて運ぶ。
うー…と姫様のうなる声。
今朝から、ずっと泣いてたからね。
少し気分転換しよう。
そんなわけで、僕らはハンズ近くのアーケードに繰り出した。
迫り来るゾンビを撃ち殺すゲーム。
そいつをまず2人でやった。
傍で見てると簡単そうなんだけど、実際に遊んでみると結構難しい。
弾のリロードが遅れてやられたり、避けようとして自分の体が動いたり。
一番辛かったのは銃を水平に長時間構える事だった。
姫様はすぐに耐えられなくなって、腕を降ろしてしまう。
で、ゲームオーバー。
すぐに追加コインを投入して再度参戦しても、あっという間にやられてしまう。
僕は途中から射撃を中止して、彼女を見ていた。
笑顔が戻っていて、楽しそうで、熱中している。
腕は平気かい?と大声で聞くと、
「よゆ〜」
とやはり大声が返ってきた。
無理して誘ってよかった。
レースゲームをやり、それからちっとも拾えないUFOキャッチャーに粘着して、喉が渇いたところで、アーケードを後にした。
東急デパート前でタクを拾い、昨夜姫様が誘ってくれたあの店へ。
彼女は昨夜のような無茶はもうしなかった。
あの彼女の変わりにバーテンがやって来て、僕に名詞をくれた。
普通サイズの変則で、ひょろ長く、白黒のキザったらしい名詞。
彼の発音は今風で、浩二でも、孝治でもなく、自分はコウジだと名乗った。
注文があればなんでも。
彼はそう言って店のホールカウンタへ歩いて行き、そこに腰を降ろした。
彼がけたたましい音楽の中に去ると、姫様は中指を立てて、僕にこう言った。
「あいつ、ちょーきらい」
僕はこの店の中に間違いなくある、どこかしら冷たく感じる、よそ者に容赦ない排他的な空気よりも肌に合わない音楽の方が気になった。
でも、1曲だけ僕にも分かる曲があった。
YesのYou and I。
僕が生まれるずっと以前に書かれた曲。
大好きだ。
へぇ。
こんな場所でもかかったりするんだな。
僕が口ずさむと姫様が、おや、という顔をして。
それから突然「カラオケ」に行こうと言い出した。
店を出ようとドアを開くと、雨脚が強くなってた。
今年の正月はなんだかずっとこんな空模様だ。
弱い雨が降ったりやんだり、忘れてると強く降って気にすると弱くなる。
カラオケ店は歩いてすぐらしいけど、雨の中歩くとなると辛い距離だ。
寒さも水滴と湿度のせいで堪えるし、姫様の鼻の頭はもう真っ赤だった。
その時後ろから誰かが声をかけてきた。
「よう」
と言って傘を差し出してくれたのは、昨夜の彼女だった。
店の屋根というか、突き出したわずかなでっぱり伝いに歩き、そこで止まってる僕らを見かねて、傘を持ってきてくれたらしい。
「事務室の窓から見えるんだよね」
彼女はそう言って笑った。
「助かるよー、カナ。仕事はもう終わり?」
「うん。事務室で着替えて煙草吸ってた。邪魔しちゃ悪いと思ってさ、声はかけなかった」
カナと呼ばれた子は、防寒用のアーミーコートを着ていて、動物の毛が縁に巻かれたフードいっぱいにドレッドが広がってて、雌ライオンにもたてがみがあるとしたら、きっとこんな感じだ。
引き締まった体。
女っぽい服装じゃないのに、でもどこか色っぽい。
怒らせると、Xmanのウルバリンよろしく凶暴なライオンに変身しそうだ。
カナと姫様はしばらく立ち話をしていた。
会話の途中、カナがコートのポケットからフロッピィを取り出して、姫様に渡すのを僕は見逃さなかった。
煙草を受け取るみたいに、特に気に止める様子もなくバッグに放りこむ彼女。
白い封筒にそれは包まれてたけど、間違いなかった。
持ちやすいように封筒が折られてたために、サイズと形状からフロッピィだと特定できる。
「カナさ。暇だったらカラオケ一緒に行かない?あとは帰って寝るだけでしょ?」
彼女はバイバイする代わりに、カナにそう言った。
「カラオケ?これから?」
「うん。ヒロが歌いたくて仕方ないんだって」
言ってないよ。
歌いたいなんて欲求は生まれてこのかた一度だって持った事ない。
そりゃ、部屋で好きな曲が流れてれば口くらい動かすけど、歌いたいって気持ちとはちょっと違う。
カナが笑いながら僕を見、僕の顔つきから姫様の冗談を見抜くと
「おっけい。いいよ。わたしも歌いたい気分」
意見が一致した途端、2人は雨の中カラオケ店目指して一直線にダダダッと駆け出した。
傘なんて必要ないじゃん。
二人の後をとぼとぼついて行く僕。
292 名前:70 ◆DyYEhjFjFU 投稿日:04/09/04(土) 18:45
椎名林檎、椎名林檎、椎名林檎と3曲続いた。
4曲目はまた姫様で、椎名林檎だった。
5曲目のカナの椎名林檎がはじまると、姫様が楽曲リストを僕に投げつけてきた。
「ヒロも歌うの。ほら早く入れて」
冗談ぽく
「椎名林檎なんて歌えないよ」
と言うと、熱唱中のカナが突然大笑いした。
「何でもいいですよ。好きな曲。ほら入れて」
マイクを通したデカい声で急かされる。
そういえばはじめてカナを見た時も急かされたっけ。
だけど困った事になった。
気取るわけじゃないけど、この楽曲リストは僕には無意味。
邦楽は聴かないから、知ってる曲なんてたぶん登録されてない。
だからカラオケにはほとんど行った事がなかった。
行ってもまわりをしらけさせるし。
中学の頃、僕はイギリス産ロックにはまった。
過ぎ去った時代の過去の遺物。
ザ・フーにはじまって…。
それにしても、何か探すかとぱらぱらめくるフリだけでもする。
そこで五十音リストのアーティスト欄の
「E」
にイーグルスを見つけた。
へぇ。
イーグルスなんてあるんだ。
一曲だけでも歌っておかないと。
って事で
「言い出せなくて」
を姫様に指で示した。
数桁の識別コード。
これならなんとか歌えそうだ。
姫様は慣れた手つきでリモコンのスイッチを押す。
入力が完了した途端、緊張に襲われる。
どこにいてもそうなんだよな。
目立ってしまうシチュエーションでは、僕は必ず緊張する。
緊張する事がおかしな場合でも、心拍数が急カーブを描いて高まり、挙動不審に陥る。
可愛い女の子ふたりのいる密室で、心拍数の高まる男は沢山いるだろうけど、挙動不審になる男は、多分少ないだろうな。
器の小さい男。
楽しめない男。
周りを白けさせる男。
つまり僕。
イントロが始まると、緊張はピークへ。
そこからはもう覚えてない。
テレビモニタに表示される英文の歌詞を必死に追った。
聴いた事のない曲が流れると、自然と視線が集まる。
マイクを持った者に。
こういう事は以前にも経験した事がある。
歌い始めた途端、皆は興味を失うんだ。
そんな曲知らない。
何歌いたいわけ?って具合に。
歌い終わると、次の入力がされてないのか、異様な静けさが戻ってきた。
僕はたった一曲のために汗までかいてた。
カッコ悪すぎだ。
場を取り繕おうとして、次の曲、彼女達の好みを入力するために触った事もないリモコンに手を伸ばす。
次の曲は?と促すように、その実、哀しみに満ちたすがるような視線を2人に送る。
その瞬間だったと思う。
カナが
「すげぇ」
と言った。
「かっこいいじゃん」
それから口調を変えて、僕を見て
「イーグルス私も好きですよ。あの。in the city歌えないですか?」
思ってもみなかった感想と展開。
英語の歌詞は大好きだとカナが言ってくれた。
「うん、歌えると思う」
あろう事か僕は2曲連続の暴挙に出た。
姫様はニコニコ笑ってた。
そこで注文してあった簡単な料理が遅れて届き、三人はゆっくり盛り上がっていった。
椎名林檎はさすがに飽きたみたいで、Jwaveで聴いた事のある当時のヒットナンバーが延々と続く。
女の声は好きだ。
高い域でさえずるようなアリア。
心地よくて僕はいつの間にか眠ってしまってた。
いつか見た夢。
子供の頃、近所の空き地に寝転がって見上げた冬の空。
羽ばたく雀。
姫様が手を握ってくれてたと思う。
多分。
彼女の気配がすぐ側にあって、マイクの振動と体を揺するタイミングがシンクロして伝ってくる。
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2021-06-13 21:07:10
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2019-01-31 23:52:48
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(2020年05月28日)
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