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【名作】高校のとき憧れていた美少女と大学で再会したら恋人のフリを頼まれた(1/2ページ目)

投稿:2025-11-15 21:57:24

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本文(1/2ページ目)

露草◆OIQYRYM(20代)

俺は健斗という名前の平凡な大学二年生で、西日本のとある田舎の高校で陸上部に入っていた。

県内ではそこそこの進学校だったので、あまり部活には力を入れてなかったけど楽しく活動していた。

陸上部には優衣という一年生のとき同じクラスだった女子がいて、明るくて美少女だった優衣は陸上部のアイドルで男子の人気も高かった。

優衣は短距離で俺は中長距離の選手だったので、挨拶する程度であまり話をしたことはなかった。

でも黒目がちの大きな瞳と細身でしなやかなスタイルの優衣は、実家の近所の森にたまに出没する鹿のように遠目で眺める存在だった。

なんとなく視線を感じて振り返ると、森の中から鹿がじっと見ていることがあった。

気がつくと飛び跳ねるように森の奥に去っていく姿が、ダッシュをするときの優衣に似ていると思っていた。

俺はトラックを走りながら、ダッシュを繰り返したり他の部員と楽しそうに話している優衣をいつも眺めていた。

優衣とは結局、部活の仲間で知り合い程度のまま卒業になってしまった。

だが学部が二つしかないこじんまりとした東京の大学に合格して陸上部に入ると、優衣がいたのでびっくりした。

「あれ?優衣じゃん!同じ大学だったんだ。ぜんぜん知らなかった」

「私もだよ!まだ陸上続けるんだ」

「もちろん!走るの好きだからね」

実家から遠く離れた東京での再会に驚きながらも、俺は優衣に親友と言われるほど仲良くなった。

同郷のよしみというやつで、言葉も違うし知らない人だらけの都会でお互いを頼りにするようになったのだ。

優衣がファミレスでバイトを始めるときは、俺のことも一緒に誘ってくれた。

「近所のファミレスでバイトしようと思うんだけど、健斗も一緒にやらない?」

「いいよ。なんかやらないと仕送りだけじゃ厳しいしな」

「よかった♡ひとりじゃちょっと不安だったんだ」

部活も一緒、バイトも一緒。学部が同じなので講義でも顔を合わせることが多かった。

でも俺たちが付き合っているんじゃないかなんて誰も思わなかった。

二年生になる頃には俺のことを同郷の親友と公言していたし、優衣は美人で陽キャの人気者になってたのに、俺はまったく平凡で普通の男子だったからだ。

高校のころからモテていた優衣は、大学生になってからさらに美しさに磨きがかかっていた。

ショートカットだった髪は肩まで伸ばして落ち着いた茶色に染めて、すごく大人っぽい雰囲気をまとうようになっていた。

陸上で鍛えた引き締まった肢体はモデルのようで、キャンパスを闊歩する優衣は自然と人目を引いた。

陸上部の先輩や同じ講義を受けている同級生から告白されても優衣はすべて断っていた。

高校の頃も陸上部内で何人も玉砕していたし、サッカー部のエースやクラスで人気のイケメンも全員振られていた。

俺は優衣が告白されて振った話を聞くたびに、ほっとしながらも不思議に思っていた。

陸上部の練習が終わって、一緒にバイトに行くときに聞いてみた。

「なんで優衣は誰とも付き合わないの?」

「ダルいし面倒くさいから」

予想外の答えに呆気にとられてしまった。

「なんで?好きな人といたら楽しくない?」

「うーん。でも、色々と気を使うし、嫉妬とか束縛とか、そういうの考えるだけで疲れちゃうんだよね。それより自分の時間も部活も大事にしたい」

優衣への想いを胸の奥に隠しているチキンな俺は、絶望的な気持ちになった。

チャンスがあれば告白しようとしていた俺のなけなしの勇気は、優衣の言葉を聞いて煙のように消えてしまった。

「健斗といるのが一番楽だし、煩わしくなくっていいもん」

そう言って天使のように微笑む優衣に、強張った笑いを返すのが精一杯だった。

親友の立場に甘んじていれば、ずっと優衣と一緒にいられる。

優衣に彼氏ができたら離れなければならないけど、優衣は男と付き合う気はまったくないようだ。

だが優衣が男と付き合わないことに他の理由があったことを、俺だけが偶然にも知ることになった。

「健斗、今日の賄いはペペロンチーノをお願いね」

ホールから戻って来た優衣が俺に微笑みかけて、そのまま休憩に入っていった。

優衣のスタイルのよさを引き立てるようなファミレスの制服姿にいつも見惚れてしまう。

俺は優衣のために心をこめてペペロンチーノを仕上げると休憩室の優衣に届けた。

「おいしそう!ありがとう、健斗。いただきます」

キッチンに戻った俺はオーダーミスで廃棄になるプリンに生クリームをトッピングして即席デザートを作った。

優衣の喜ぶ顔を想像して休憩室に持っていくと、優衣の歌声が聞こえてきた。

「ちんちんペロペロペペロンチーノ♪ちんちんペロペロチンチーノ♪うーん、ボーノ!」

俺に背中を見せてペペロンチーノを頬張っていると思われる優衣が、両手を振り回して珍妙な歌を歌っていた。

まっすぐストレートな下ネタに、俺はたまらず噴き出してしまった。

「ぶはっなんて歌うたってんだよ笑」

「あ…健斗?!今の、聞いてたの?」

振り向いた優衣の顔は耳まで真っ赤に染まっていた。

「うん!優衣が下ネタなんか言うと思わなかったから、めっちゃおもろかったわ笑」

「健斗、お願い!このことは誰にも言わないでっ」

「え?う、うん…優衣がそう言うなら、誰も言わないよ」

優衣の実家は下ネタにオープンな家族で、両親も兄もみんなで下ネタを楽しんでいたらしい。

「でもこっちで一人暮らししてから、部屋で独り言で下ネタ言うかしかなくて、誰も反応しれくれないストレスがすっごく溜まっていたの」

「そうなんだ。別に我慢しないで普段も言えばいいのに」

「ダメなの…なんか、イメージと違うって、めちゃくちゃ引かれたことがあって」

中学生のときに優衣が密かに憧れていた先輩と二人きりで帰ったときに、うっかり飛び出した下ネタにドン引きされてから人前では封印していたというのだ。

「健斗は本当にドン引きしてないの?幻滅した、とかガッカリしたとか思ってない?」

「いやむしろスキがないと思っていた優衣に、下ネタを楽しむ一面があってうれしいよ。俺も下ネタ好きだし、ぜんぜん問題ないっていうか、もっと聞かせてほしいぐらいだよ」

「本当?じゃあ、ちんちんペロペロペペロンチーノ♪ちんちんペロペロチンチーノ♪」

また妙なダンスをしながら優衣が歌い始めると、俺は腹筋が壊れるかと思うくらい笑ってしまった。

「いひひひひっ…ごめん、もうやめて!苦しくて死ぬぅ」

「えー?こんなのまだまだなのに笑」

こんなにはじけた笑顔を優衣が見せたのは初めてだったかもしれない。

優衣の秘密を知ったことで、俺と優衣の仲は前より深まった気がした。

学食で俺が日替わり定食を食べているときだった。

この日のメニューはメンチカツとサラダになめこ汁だった。

うれしそうに近づいてきた優衣が、俺だけに聞こえるように耳元で囁いた。

「なめまんこ汁、おいしい?」

盛大に噴き出したしまった俺に、まわりの友達は不思議そうな顔をしているが、優衣だけはしてやったりみたいな顔でニヤニヤしている。

清楚でかわいらしい顔ですましたようにお見舞いされる下ネタのギャップに、俺は毎日腹筋がおかしくなりそうなほど笑わされた。

優衣がひた隠しにしている下ネタ好きを知らないで、またちょっかいをかけてくる男子があらわれた。

俺たちとゼミが同じ颯真はコミュ力が高くて人懐っこいヤツで、俺ともけっこう仲がよかった。

そんな颯真が学食で食事をしている優衣の隣に座ったり、熱心にデートに誘ったりし始めた。

いつもなら素っ気なく振ることが多い優衣も、どうにもつかみどころがない颯真には手を焼いているようだった。

「最近、颯真くんがドライブに行こうとか、部活さぼってカラオケ行こうとか、すんごい誘ってくるんだけど」

バイトの帰りに優衣からため息交じりに颯真の猛アタックについて相談された。

「颯真は優衣と付き合いたんだろ」

「でも颯真くんは友達としか思えないんだよね」

「だったらハッキリ颯真にも伝えたほうがいいんじゃね」

「そうだよね。なんか颯真くんってひょうひょうとしてて言いにくいんだけど、きちんと話してみるね」

颯真は図々しいところもあるけど、どうにも憎めないというか可愛げがあるヤツなのだ。

何度も誘われているうちに優衣も気持ちが傾いてしまうのではないかと心配していたので、はっきり断るようなのでホっとした。

でも俺がそう仕向けたところもあるので、自分のずるさにちょっと胸が痛んだ。

数日後、バイト中の優衣は明らかに精彩を欠いていた。

ため息ばかりついて、珍しくオーダーミスをして落ち込んでいた。

ステーキのグラムを間違えてしまい、俺が賄いとして食べることにした。

「ごめんね、食べてくれてありがとう」

「いいよ、ちょうどガッツリ肉が食べたかったんだ」

休憩時間にオーダーミスしたステーキを食べていると、優衣が水を持ってきてくれた。

賄いといってもダタではない。

俺たちがバイトしているファミレスでは半額にしてくれるのだが、300グラムの和牛ステーキはそれでもけっこうなお値段だ。

誰も食べなければ廃棄になるのだが、俺が食べれば少しは優衣の心の負担が軽くなるかもしれない。

「ねえ、帰りにちょっと話があるんだけど、時間ある?」

颯真の話だと思ったので、もちろんOKした。

バイトが終わると近くにある、桜がたくさん植えてある小さな公園のベンチに座った。

4月には満開だった桜の木は、もうすっかり葉桜になっていた。

「颯真くんに部活やバイトで忙しいし、恋愛には今は興味がないって断ったんだけど」

優衣は本音でしっかり颯真に断ったみたいだった。

「でもぜんぜんあきらめてくれなくて。恋愛の楽しさを俺が教えてやる!部活もバイトも邪魔しないって、すんごく食い下がってきて」

「そうきたか…ポジティブ思考の颯真らしいな笑」

「もうっ笑いごとじゃないんだからね!それで、とっさにウソついちゃったの」

「ウソって、どんなウソ?」

「健斗と付き合ってるから、あきらめてって」

俺は驚きのあまり、ベンチから滑り落ちそうになった。

密かに抱いている俺の気持ちを知らないとはいえ、あまりに残酷な嘘をついたものだ。

「ごめん!それで、健斗にはしばらく彼氏のフリをして欲しいの」

今度は本当にベンチから滑り落ちた。

「こんなこと頼めるの、健斗しかいないの!友達でしょ?お願い!」

手を合わせて必死に頼む優衣に、俺はしばらく呆然としてしまった。

だがフリとはいえ、好きな女の子の彼氏になれるのだ。

でも本当は付き合いたいと思っているのに、偽物扱いされることに俺が複雑な思いを抱えていることを優衣は知らない。

でも親友のポジションに甘んじている俺は、優衣の役に立てるなら何だってやるつもりだ。

「いいよ、俺でよければ」

「よかった!ありがとう。これできっと颯真くんもあきらめてくれるよね」

もう優衣はニセ彼氏計画が成功したかのように喜んだ。

「でも、ずっとじゃないからな。颯真があきらめるまでだからな」

「うんうん!おっけー!ありがとう」

ニセの彼氏と言っても、優衣がどうやって颯真にあきらめさせるかぜんぜん聞いてなかった。

次の日に大学に行くと、優衣が正門の前で待っていた。

「さっ行くよ!はい、手を出して」

意味が分からず犬がお手をするように手を差し出すと、優衣が俺の手を握って歩き出した。

「え?手をつないで大学の中、歩くつもり?」

「もちろん!付き合ってるんだから、当たり前でしょ?」

「いや、それってかなりバカップルじゃないのか」

「昨日考えたんだけど、健斗と付き合ってることにすれば颯真くんだけじゃなくても、もう告られるような面倒からも解放されるんじゃないかって」

大学の中庭を優衣と手をつないで歩いていると、優衣が人気者だけにさすがに目を引いた。

講義も隣に座って一緒に受けていると、いつも優衣と一緒にいる、陸上部のマネージャーをしている風花が手を振って離れた席に座った。

「ちょっと、風花に悪くないか?」

「大丈夫!風花にだけは昨日LINEで本当のこと教えてあるから」

ちょうどそのとき、教室に入って来た颯真と目が合った。

颯真は一直線に俺と優衣が座っている席までやってきた。

「本当に付き合っているのかよ」

「そうだよ。悪いけど、優衣のことはあきらめてくれよ」

「昨日まで友達で、急に一緒に行動しだしたのはなんでだよ」

「優衣が颯真と付き合えないって言ったのに、あきらめてくれないからだろ」

「だから今まで恥ずかしいから内緒で付き合ってたんだけど、オープンにすることにしたの」

「ふぅん、本当かな?俺、優衣ちゃんのこと本気だから、そんなに簡単にあきらめるつもりないから」

颯真は踵を返すと風花の隣に座って、何かしきりに話しかけている。

優衣の親友である風花にも、本当に付き合っているのか確認しているようだ。

「ふぅ…やっぱり簡単には引き下がらないか」

「そうみたい。しばらく頼んだよ、恋人のフリ…恋人のフリチン♡」

これは下ネタとしては出来がイマイチだし、あまりにのんきな返しに脱力してしまった。

だがこれでしばらく優衣の彼氏役をできることを喜んでいいのだろうか?

むしろ本当に優衣と付き合える可能性が限りなく少なくなっていく気がする。

いや、元々そんな可能性は月が地球に激突するくらい少ないとわかっているけれど。

それからは颯真に見せつけるように、俺と優衣は一緒に行動した。

ランチも学食で二人きりで食べるし、部活の後のストレッチも二人でするようになった。

「いや、さすがにこれはやりすぎじゃね」

グランドに仰向けになった俺の膝と足首を、優衣がつかんでストレッチをしていた。

「付き合っているんだから、このくらいしないとね。ほら、颯真くんが見ているよ」

グランドの外を歩きながら颯真が鋭い視線を投げてくる。

だが俺にはそんなことより、俺の足に優衣が体重をかけて押すときに胸が当たることが気になってしまう。

ちょうど俺の膝に優衣の胸が押し付けられ、うっとりするような柔らかさを感じてしまう。

細身でしなやかな体型の優衣の胸は大きくはないが、意外に弾力があって膝に全神経が集中してしまう。

だがすぐに股間が熱を持ってしまい、勃起する前に慌てて優衣と交代した。

本当に付き合っているのではと錯覚してしまうほど、大学でも部活でも優衣と一緒にいられる幸せを噛みしめていた。

そんなある日、トレーニング中に優衣が捻挫をしてしまった。

ミニハードルという高さ20センチくらいの障害物をケンケンで越える練習をしているときに、優衣がミニハードルを踏んで転んでしまった。

「大丈夫だから…あっ痛!」

立ち上がろうとして座り込んだ優衣を、俺は抱きかかえて保健室まで連れて行った。

「ちょっと、恥ずかしいよ」

「彼女がケガしたら、彼氏だったらこうするだろ」

「ありがとう…」

平気で下ネタは言うくせに、こんなときは顔を真っ赤にして俺の首にしっかりしがみつく優衣だった。

保健室で応急手当をしてもらって、体育会でお世話になっている整形外科まで自転車で連れて行った。

検査した結果、軽い捻挫だということで湿布薬をもらってしばらく安静にするように言われた。

「しばらく部活もバイトも休んで、しっかり直した方がいいな」

「うん、ありがとう。部活途中で抜けさせちゃって、ごめんね」

自転車の後ろに乗った優衣が、俺の腰にしっかりとしがみ付いてくる。

優衣の体の温かさと柔らかさに、幸せを噛みしめながら自転車をこいだ。

幸せな時間があっという間に過ぎて、優衣が住んでいるマンションに着いてしまった。

俺のマンションもそうだけど学生専用の家賃が安いマンションなのでエレベータがなく、階段で上がるしかない。

しかも優衣の部屋は4階なので、捻挫した足で上がるのが大変だし危なそうだ。

「4階まで上がるのしんどいだろ。優衣の部屋までおんぶしてやるよ」

「本当にいいの?なんかごめんね」

階段の前で腰をかがめると、優衣がぴょんと俺の背中に飛び乗ってきた。

首にしっかりつかまると優衣の体が密着する。

当然のようにふっくらとした胸が俺の背中に押し付けられると、歩き出す前に股間が熱をもってふくらんでしまう。

「ごめんね。けっこう重いでしょ?」

「いや、思ったより軽いな。このくらいなら何回でも往復できるぞ」

「じゃあ、練習代わりにやってみる?」

「いいけど、危ないから止めといてあげよう」

軽口を叩いているうちに優衣の部屋に着いてしまった。

優衣のぬくもりが離れると、急に背中がひんやりとして少し寂しい気持ちになった。

「じゃあ、湿布張り替えてゆっくり休みなよ」

すぐに帰ろうとすると優衣に呼び止められた。

「ねえ、せっかく来たんだからコーヒーでも飲んでってよ、彼氏くん」

優衣のマンションまではバイトの帰り道なのでいつも送っていたが、中に入れてもらうのは初めてだった。

俺の部屋とあまり変わらない広さのワンルームだが、白とナチュラルテイストの家具で統一された部屋はかわいらしくておしゃれだった。

小さな楕円形のテーブルに優衣がインスタントのドリップコーヒーを持って来てくれた。

「さっきおんぶされているときに思い出したんだけど、高校一年のときの体育祭、憶えている?」

まさか優衣が体育祭でのことを憶えてくれているなんて、思ってもみなかったから飛び上がるほど驚いた。

「あの、男女ペアの障害物リレーに出たこと?」

「そう!うれしい…健斗も憶えていてくれたんだ」

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